電車の風景

1999年開設したHP「阪神電車の風景」の書庫としてスタートしました。 阪神以外にもテーマを広げていくため「電車の風景」と変更しました。

カテゴリ:阪神電車の風景 > 阪神電車青胴車

2023年11月5日、日本シリーズは阪神の日本一達成で終わりました。
筆者はチケットが取れなかったのですが、大阪神戸の雰囲気を見に行きました。

日本シリーズの副標デザインは阪神の黄色とオリックスの青色を並べたものでした。
青色が5001形の青胴の色にマッチしていていました。この組み合わせを撮影しようと狙っていました。


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しかし5001形は尼崎車庫に2編成停まっていました。

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さらに奥には編成が解除された5001の車両が置かれていました。
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したがって残る1編成だけ運行している状況で、撮影機会が限られる中、筆者も神戸を離れる時間も迫っていました。
5001形は今年2月に惜別していたつもりでしたが、日本シリーズヘッドマークをつけて最後の力走をする姿をなんとしても撮影しようと、粘りました。

定番の淀川鉄橋で捉えることができました。


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野田駅
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御影駅
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魚崎駅にて。ここは筆者にとって思い出の駅でした。
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側面には「ARE」のステッカーが残っています。
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名残惜しいですがキリがないので、この後新幹線に乗って帰りました。

神戸に行く機会があり、阪神電車ジェットカー”青胴車”の終焉が近いということなので乗ることにしました。と言ってももう4編成しか残っておらず、なかなか乗れるタイミングはないかなと思っていましたが運よくすぐに乗れました。しかも5001-5002-5003-5004の第一編成です。
2021.12.31 西宮
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2023.2.12 尼崎
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千船、特急待避中
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中間車になった5002,5003。元は2両編成の制御車でしたが、4両固定編成になった時に改造されました。
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妻板形状が先頭車の形ですね。

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野田

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久寿川

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この日は5025編成との2編成が運用していました。

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車内も昔標準だった薄緑色。
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妻部は元々制御車だったところを客室に改造、簡易運転台もあります。 
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2015年の撮影。形式不明の「青胴車」ですがこの頃はまだ一部車両のシートが更新されず昔ながらの小豆色でした。クッションは昔の方がフカフカでした。ただフル加減速をすると体が横に持っていかれました。子供が小さい時は勢いでひっくり返ることもあって気を使いました。でも阪神のシートは柔らかくて好きでした。
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現在、阪神ジェットカーは5500系、5550系、5600系が主力になっています。しかし旧塗装となります上半分がクリーム、下半分がブルーのジェットカー「青胴車」は5111、5311形の廃車が終わり5001形のみとなっており、その5001形も2023年度中に廃車が決定されています。地元民ではない筆者は、これが最後になる可能性があります。


現在の5001形は二代目です。初代5001形は1958年製造1977年廃車になっており、その代替えとして1977年に5001-5002、5003-5004が新造されました。当時は新5001形と雑誌で見ましたが、正式名はどうなのでしょうか。45年も経って今更”新”も変ですね。最近の雑誌では5001形(Ⅱ)などと書かれていますが。
なお、1000系は新1000系と当初呼ばれていたこともありますが、これも1960年代まで残っていた小型車に1001形(千公とのニックネームも)があったためです。さすがにこれと間違えることもないでしょうが。
さらに言えば「青胴車」の呼称も「赤胴車」の対語として使われ出したのは1980年ごろだったと思いますが今ではすっかり定着していました。阪神電鉄としては急行系=赤、普通系=青の識別を踏襲しているようです。ただ形式ごとに色合いが違っており、特にオレンジ色はもっと赤い色にして欲しいですね、と言うのは阪神ファンの定番です。

1977年8月、営業開始したばかりの新5001形が来たので慌てて撮った一枚。当時もフィルムは高価で泣けました;;。 目新しい新型車は夏の冷房装置も相まって嬉しかったのを思い出します。

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1979年4月、野田。今回撮影の5004。当時行き先表示機が付いていた赤胴車と違い、表示板のままだったのがいかにも無駄はしない阪神らしいと思っていました。
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1979年4月、魚崎
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新5001形は初代5001、5101、5201形の置き換えですが、そのうち5201形は当時台車、モーター、駆動系(直角カルダンから平行カルダン)を一部更新しており、初代5001とジェットシルバー5201-5202の代替え4両のみで、残りは冷房改造するという噂も聞きました。結局車両も全て新造することになったようです。ただ5201形で更新した駆動系は新5001形にそのまま流用されましたから車体更新車と言えそうです。

その後、5231形が5131、5331形にモーター、台車流用で電機子チョッパ制御に置き換えられたのですが、このチョッパがディスコンになったために先に廃車されることになり、結局車齢の古い新5001形が最後まで残ったわけです。もう「新」はつけなくても良いでしょう。
阪神5001形、何月まで活躍してくれるでしょうか。46年間お疲れ様でした。

阪神電車の普通車(各駅停車)は「ジェットカー」と呼ばれる専用車両が使用されています。
起動加速度4.5km/h/s、常用減速度5.0km/h/sという高加減速ができる阪神ジェットカーは今もって日本鉄道車両最高の加減速性能です。
初期型のジェットカーは試作5001形が1958年、量産型5101,5201形が1959-60年に製造され、増備車の5231形は1961-63年に製造されました。5001形、5201-2を除くと、各形式に外観上大きな差はなく、青い普通電車「青胴車」として親しまれて来ました。

筆者は1960年生まれなので5201形と同世代です。子供の頃は青くて速いこの電車が好きで、梅田駅から魚崎駅まで帰るのにずっと各停で帰ると祖母にせがんで叔父叔母には迷惑な甥だったと思います。
なぜそんなにジェットカーが好きだったか、思い返すと加減速時のモーター回転数の変化する独特の音がまず思い出されます。横浜育ちの筆者にはよそには無い電車でした。
あとは外観下部の青色が群青色に近い濃い青で、横須賀線の色もクリームと青で、青15号はほぼ同じ色と言われているが、筆者にはなぜか同じ青でも阪神の青が綺麗に見えました。

その初期型ジェットカーは冷房化に際し廃車更新となったので、1977年から順次廃車されていきました。その最後の廃車が行われていた1983年、尼崎駅の西側引き込み線、通称「丘の上」に置かれていた5231形を撮影しました。

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駅職員の方にお願いして、近くで撮影する許可をいただきました。40年後の現在では規定が厳しくなってだめでしょう。あの時の駅員さんありがとうございました。
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隣には3801形が停まっていました。こちらは定期検査か行き先表示器取り付けかで試運転表示でした。
5231形はすでに台車が外されて簡易的なもの(旧小型車のもの?)に交換されています。 
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奥に通過する5331形がこの代替え新造車です。印象的な光景でした。
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製造銘版には汽車会社、昭和38年と書かれています。この5249-5250は5231形の後期グループで、妻板形状が丸みが無くなって完全な切妻です。
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社章が剥がされています。
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形式番号もありません。5249とわかります。
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 名残惜しいですがここまででフィルムがモノクロ、カラーリバーサル共に尽きました。交換フィルムを持って来ていなかったのです。同行していただいた駅員さんも気を遣ってか「もういいの?」と言ってくれましたが残念ですが仕方ありません。
ここに写っている5249 - 5254の車体は京福電気鉄道福井支社(現在のえちぜん鉄道)に譲渡され2013年まで活躍しました。

なお、譲渡車はゲージの違いなどにより動力、台車は交換され、写真のように元の台車は外されますが、それ以外の5231形であってもモーターと台車は新しい新造車5131,5331形に転用されました。

 5131,5331形は電機子チョッパ制御の新造冷房車として1981-3年に製造されました。当初、初期ジェットカーを引き継ぐ「前パン」で登場し、筆者のお気に入り車両でした。のちに4両固定化の際前パンはなくなり、2017-9年に全車引退しました。

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ここからは過去記事から集めた初期ジェットカー5201形系列の思い出写真です。 
1970年ごろの5250。偶然同じ車両を撮影していました。
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5101形は5201形と同時に製造された両運転台車両です。
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これも5250。
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考えてみると、初期ジェットカーは活躍した期間が20年程度と短かったように思います。しかし台車は後継車に引き継がれ、新5001形の一部、5131,5331形に活かされており、車体は他社に譲渡され、つい最近まで現役だったことを思うと、無事定年まで働いたということでしょう。


おまけ  Nゲージの5201形。
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