電車の風景

1999年開設したHP「阪神電車の風景」の書庫としてスタートしました。 阪神以外にもテーマを広げていくため「電車の風景」と変更しました。

熱心にドクターイエローを追っている友人に誘ってもらい、武蔵小杉で東海道新幹線を狙いました。
4月に見に行った後、ドクターイエローの廃止が発表され驚きました。

武蔵小杉駅から南に歩いた歩道橋はドクターイエロー狙いの多くの鉄ちゃん以外にも親に連れられた小さな鉄ちゃんも来ていました。歩道橋の下部は透明アクリルで覆われており、子供にもよく見えるように工夫されています。大きな鉄ちゃんは手を伸ばして防護網の上からカメラを構えていました。

まず試し撮り
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ドクターイエローが来ました。



動画から切り出した写真1
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動画から切り出した写真2
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無事に撮影できたので、ロケハンを兼ねて多摩川鉄橋に移動しました。東急多摩川線で沼部駅へ。ここからも武蔵小杉の高層ビルがよく見えます。
動画切り出しで上下線の会合を。
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北側からの撮影になるので光線状態が気になります。流し撮りの練習。
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しかし、東海道新幹線は最短2分間隔で走っていて驚きます。
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9月中には東急電鉄のQ SKIP(スマホにQRコードを表示させて乗車)東急全線ワンデーパスが半額キャンペーンで370円だと教えてもらったので使ってみました。使うまでに会員登録するのは面倒で、QRコードを使える改札機が各駅一台程度です。(2026年までにJR東日本など首都圏では切符が廃止され、QRコードになるらしいので改札機は全部対応するようです。)
今回のスマホの場合QRコードを表示したら60秒以内に通過しないとならず、うっかり表示更新していないとエラーになるので初めのうち理由がわからず苦労しました。

阪神神戸三宮駅からJR三ノ宮駅へエスカレータで上がるところは現在工事フェンスで囲われています。
ここは「三宮ターミナルビル」が建っていた地下でまだ店舗跡が残っています。三宮ターミナルビルは1981年、神戸市の「ポートピア」開催時に開業したホテル、店舗でした。

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地上の阪急神戸三宮駅へ向かうペデストリアンデッキから見るともうビルの解体は終わっていました。
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フラワーロード南側を見るこの構図はこのデッキです。ちなみに昔は滝道と呼んでいました。
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JR三ノ宮駅に沿ってデッキが伸びています。
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金網越しにJR、旧国鉄の鉄橋が見える。
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この鉄板に空いた穴は、1945年神戸大空襲の際、米軍の機銃掃射でできたもの。
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筆者の父方家族もこの中を潜り抜けて生きてきました。
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ペデストリアンデッキを抜けると阪急神戸三宮駅です。
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100周年を迎えた阪神甲子園球場。
甲子園駅は1924年当時、臨時駅として開業しましたが1926年に甲子園線開業時に通年営業になったそうです。

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この日は高校野球準決勝で、すでに第二試合が始まっていました。(暑さ対策で午前中に開始)
野球開催時には球場側の降車専用4番線が使われます。そこから球場を見ると直接降車できる階段があります。
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阪神高速に遮られ球場が見えませんがわずかな隙間から甲子園球場の看板が見えます。
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球場の改修によって無くなった蔦が新たに植えられてここまで伸びました。
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球場の周りを巡りました。
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高校野球では以前は外野席は無料開放されていましたが、今では指定席券が必要です。
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この暑さの中、プレーする球児は大変ですが、日頃鍛えていないおじさんが観戦するのも大変です。
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昔から続く甲子園名物「かちわり氷」。これがあると体を冷やせるので助かります。
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5回終了後のクーリングタイムではスコアボードに映像が流れました。アニメ「タッチ」声優、日高のりこさんのナレーションで、筆者の世代にドンピシャです。また写真は筆者が好きだった「プレイボール」の一場面です。
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あまりの暑さと次に移動するために途中で球場を出ました。真夏の甲子園駅です。
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筆者が初めて甲子園球場に行ったのは1970年、神奈川代表の東海大相模が初優勝した時の準決勝でした。翌1971年も初出場初優勝した横浜の桐蔭学園の決勝でした。この時も気温36度(日記に書いたのを覚えています)、夏の暑い中でした。
今回は予定があったとはいえとても1試合見ることはできそうにありませんでした。
歳をとったからもありますが、気温が異様に高いです。
みなさんご自愛ください。

2024年8月1日、阪神甲子園球場は100周年を迎えました。
記念ラッピング列車が昨年から走っているので、灼熱の甲子園に行ってきました。
大阪梅田駅で運行を駅員さんに教えていただきました。
駅は駅改修が完了しています。
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出屋敷駅です。
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副票は高校野球だけではなくなんば線開通15周年も出ています。
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「阪神甲子園球場100周年記念 ラッピングトレイン」は2022年8月1日から8000系8119編成にラッピングした車両です。100周年を迎え、2024年12月まで運行予定です。
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この時間は直通特急に充当され、なかなか戻ってこないので暑い中待つのも大変でした。無事撮影できてホッとしました。
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高校野球漫画のイラストが描かれています。1970年代から最近までの選ばれた作品のうち、筆者の好きだった「プレイボール(ちばあきお)」も入っていて嬉しいです。ただ主人公谷口は甲子園出場はできませんでした。
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阪神電車5151形5151、1/80ディスプレイ模型、完成です。
遠目に見れば雰囲気は出たかなと思います。
阪神電気鉄道は、1954年新性能車(カルダンドライブ)第1号の3011形から全長19m級、幅2.8mで、現在の基準からいけば小ぶりです。さらに丸みをもった車体はなんとなく可愛いらしい気がするのですがあくまで筆者の感想です;)。

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車体下部にもRがあって柔らかい印象です。このRは阪急電車も同じなので阪神電車が真似たと思う人もいるでしょうが、実は阪神の方が先です。(一度経済車7801形で止めてましたが)現在ステンレス車はこのRがないのが残念です。
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連結妻面はこの5151形の前くらいから角Rが無くなりました。
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当初、ジェットカーのみ側扉が両開きでした。ちなみに扉幅1400mmで、国鉄101系など一般には1300mmに対し客扱いしやすいように広げていました。最近の車両は1300mmになっています。
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先頭部。この頃の阪神は両脇に雨樋が露出していました。
車体幅2800mm、線路幅1435mmの比率は忠実に再現しています。日本の鉄道模型はHOゲージの線路16.5mmに合わせるために標準軌、狭軌ともに1/80にしてほぼ車両限界を同じにして同じレイアウトを走らせることを優先しています。なので線路幅が標準軌としては狭くなって比率が狂ってしまいます。
なお、レール断面形状は3Dプリント都合で太くしています。
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客室と運転台は窓ガラスが曇っているので車体を外さないと見えません。
FS343台車の枕ばり、ボルスタアンカーが目立ちます。
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以上で一応完成としました。
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感想になりますが
3Dプリントを委託できることで3Dプリント独自のサポート材の設計まで考えずにすみ、違う材料を組み合わせて低コスト化できました。が、そこで収縮率の差が出て隙間ができたり、積層痕が想定外のところにできて除去できなかったり、3Dプリンタの勉強になりました。
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一方、量産品では射出成形のために成型型構造やパーティングライン(型割線)、抜き勾配や材料の流動、ゲートの配置など悩まされ、思うような形状にできなかったりしますが、3Dプリントならそこは自由なので助かります。
今後、積層痕がもっと目立たなくできて、低コスト化できれば鉄道模型にもっと普及しそうですね。
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今回かかったコストは3Dプリント2.4万、パンタグラフ、スプレーなど合わせて約3万円です。高いですかね。。より小さなNゲージならもっと安くなりますが精細度が落ちてしまうのが難点です。
半年がかりで作成できて楽しめましたから良かったということで。

3Dプリントした部品が揃ったので塗装をします。

まずサーフェイサーを吹きます。「タミヤNo.42 スーパーサーフェイサーL」のスプレー缶を用いました。
サーフェイサーというのは、下地塗装に使うもので、プラスチックモデルについては塗料の食いつきを良くする機能と傷などを埋める機能があります。
3Dプリント部品の場合、積層痕というプリント時にできてしまう縞があるので、それを均して埋めることが必要ですのでサーフェイサーは必須です。
で、本来は一度吹いて凹凸が見やすくなるので紙やすりで均してまた吹いて、という作業を繰り返すのですが、大昔、HOペーパーモデルを作った時と違い、すでに細かいディテールが付いているのできれいにペーパー掛けすることができません。(というのを口実に)サーフェイサーを2度吹きして終わらせました。結果積層痕が残ってしまいましたが、思ったよりきれいな表面で遠目にみればまあまあかなと思います。

前頭部は「高精細プラスチック」で光造形の中のインクジェット方式(MJT)なので滑らかな表面です。ただ今回の場合形状が後退角を持っているので薄いながらも積層痕が見えます。経済車の切妻形状なら良かったのでしょうが。
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途中経過の写真はありませんが、塗り分け線で分割したおかげでマスキング無しでできました。
この頃の阪神電車ジェットカーは青胴車と呼ばれ、上半分はクリーム、下半分はマリンブルーでした。そこでクリームは「グリーンマックス 鉄道カラースプレー クリーム4号」、マリンブルーは「グリーンマックス 鉄道カラースプレー ブルーA」を使用しました。
筆者の主観ですが、この塗料は昔の青胴車の色に似ているようです。現在まだ走っている5001形の塗装色は昔と違っているようで、クリームは昔の肌色に比べ黄色味が増し、青が昔はやや赤味の入った群青色が純粋な青色になった気がしています。

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こうして照明を当てると積層痕が見えてしまいます。側板は「エコノミーレジン」で、光造形方式の中のSLA方式なのでレーザービームをスキャンさせて液体の光硬化性樹脂の中に造形するのですが、ビームの走査線が出てしまいます。それでも小さな型番や社章が良く出力できました。
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室内はダイソーのアクリル絵の具で筆塗りしました。安上がりです。

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昔の阪神電車のシートは小豆色でした。運転台のメーターも見えてますね。
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床下機器の配置は図面にあったのですがその形状はわからないので適当です。1/80ディスプレイモデルとしてはまあまあでしょうか。
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前の記事に書いたように台車は何度かCADデータの不具合があって製作が遅れました。
材料は「エコノミーレジン」で節約しましたが、この大きさでこの精細度なら満足です。
車体に取り付く上側は強度も考え形状を省略しました。

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線路側になる裏面は中空軸平行カルダンのモーターも作りました。
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窓枠は銀色のマーカーで、扉などのHゴムはアクリル絵の具で塗装しました。
ナンバーは3Dプリントで凸文字を作成、筆塗りで白色を入れました。実車も金属切り抜き文字なので(塗りが下手ですが)良い雰囲気です。
なおパンタグラフは天賞堂のHOゲージ用PT48です。
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強拡大すると積層痕よりも接着剤のはみ出しや塗装むらの方が目立ってしまい赤面してしまいますが、一応完成したので、次回紹介します。
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DMM.makeにデータをアップロードすると、DMM.makeで自動見積もりされます。多種多彩の材料が用意されておりプリント可能な材料の見積もり結果が見られます。
模型用の材料は積層ピッチができるだけ薄い方が良いわけで、0.05mm以下のものを選ぶと選択肢が絞られ、「高精細プラスチック」「高精細アクリル」がよく用いられます。高精細な反面、価格も高いので大きな部品は作りにくいのですが、「エコノミーレジン」が1/3程度の価格なので、今回は側板でこれを使ってみることにしました。
平面的に部品を並べて、材料別にまとめてプリント発注しました。
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発注後データチェックが行われ、プリント不可の場合はキャンセルされますし、薄肉など問題箇所の指摘もしてくれます。数週間後、届きました。
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「高精細プラスチック」でプリントした部品です。0.5mm程度の形状も無難にできました、が、一部取り扱い中に折れてしまいました。
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屋根部分も「高精細プラスチック」でプリント。パンタグラフからの電線も綺麗にプリントされました。

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冷房装置にはメッシュ部があるので「高精細プラスチック」にしました。

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上2枚が「高精細プラスチック」でプリントした窓枠部品です。
下2枚は「クリアアクリル」製の窓ガラス、ヘッドライトです。(テールライトも作りましたが小さすぎて使えませんでした;)これは研磨するときれいに透明になるそうで、そのように設計しましたが、意外にきれいにできたのでそのまま使いました。(結果、室内を見ることができなくなりましたが)

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窓枠部品は精細にできましたが、細くて弱いので窓ガラスに嵌めて使うようにしました。
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側板は塗り分け線で分割しました。「エコノミーレジン」で出力しました。型番や社章もプリントでき、そこそこの解像度がありました。
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床下と客室床は塗り分けのため別体にしました。これも「エコノミーレジン」です。床下機器のうち、コンプレッサーと抵抗器は細かいので別体にして「高精細プラスチック」にしました。
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側板と窓を仮組みしてみました。材料の差で収縮率の違いがあり、はめ合いがキツくなって、枠の一部が破損してしまいました。しかし材料の値段差は大きいのでほぼ意図通りと言って良いでしょう。次回?は嵌合隙間を広げた方が良さそうです。
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コンプレッサーはC-2000M。写真からでは形状がよくわかりませんが雰囲気は出たかも。ものすごく細かく模型設計された人がいるのですがどこかに図面があるのでしょうか。

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ブレーキ用抵抗器も碍子がたくさん並んでいるので高精細プラスチックにしました。
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両面テープで仮組みしてみました。
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台車はFS343です。3Dプリントしやすいように台枠を一体化し、各部を大型化誇張しましたが走行用では無いため雰囲気は出たと思います。
材質は「エコノミーレジン」で節約しました。

プリントがこれだけ遅れたのは設計データに「シェル」がたくさんあり価格が上がっていると指摘を受けたためでした。
台車は構造が複雑で、ブレーキなどの機構をできるだけ忠実に設計してみたのですがそのためバラバラの部品がうまく一体化できなかったようです。
この「シェル」は一つのボディであっても、空洞などがあるとカウントされるそうで、今回当初50シェル程度あったものが、DMM.makeで修正してもらい1シェルになりました。その結果価格が1/4に下がるという驚きの結果でした。

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運転席もできました。
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1月に唐突に、3Dプリンタによる鉄道模型を作りたいと思ってしまいました;)。
ちょうど体調面でアウトドアを控えていた時期で、インドアの趣味も良いなということでしたが、かつて急に思い立ってNゲージ分割式レイアウトを作って部屋を塞いで家族のひんしゅくを買っていたのも忘れていました。

作るのは阪神電気鉄道5151形の電機子チョッパ制御、冷房改造した1980年ごろの車両にしました。
今回はDMM.makeで3Dプリントを依頼することを前提に、いきなり小さいNゲージでは難しいので、1/80スケールの模型にします。

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阪神5151形
1964年、初期ジェットカー最後の増備車として5151、5152の2両だけ製造された。単行できる形式が運用上不足したため で、600V時は一台に2基大型パンタグラフが付いていたが1500V昇圧時に運転台側だけになった。その後もパンタ撤去跡は通風機もなく、特異ながら地味な存在だった。

1980年、5231形の冷房改造テスト用に、先行改造された。同時に電機子チョッパ、回生ブレーキが付いた阪神初の省エネカーと なって、結局5231形が廃車される中生き延びた唯一の(経済車ではない)初期ジェットカーになった。しかも小型の下方交差ながら「前パン」を維持していたが、1995年阪神大震災により破損、廃車。震災による唯一の形式消滅となってしまった。(1999年記述)

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このように筆者が子供の頃見ていた、初期型ジェットカーのうち唯一冷房改造されて1995年まで生き延びていた形式で、前パンでもあって好きな車両でした。
さらに、「鉄道ファン」誌に車両紹介と形式図面が載っていたことと「サイドビュー阪神」に、すでに廃車になっていたのですが、鮮明な写真が載っていたことも好都合でした。

筆者は図面を書いて飯を食っていた人間なので、3DCADも「プロ」(アプリ使用技術は甘アマ;)でしたが、定年後の自宅では使えません。
しかし「Autodesk Fusion 360」は個人で使え、しかも機能限定ながら無料の3DCADアプリが自宅パソコンで動くすごい時代になりました。会社で使っていた3DCADとは違いますが、機械設計用途のCADとして共通点も多く慣れてきたところです。

ここから3DCAD設計の様子です。
模型用の設計をするのは初めてですが、他のブログや動画を参考に進めていきます。
まず、参考資料の形式図面とサイドビュー写真をキャンパスに取り込みます。
図面に記載されている寸法には忠実に、そこに現れていないものは写真をもとに推定で作図します。

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前頭部

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先頭形状は印象を決めるので、慎重に進めます。おでこのRのつながりは図面に無いので、何通りか試して印象の良いものにしました。

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窓配置も大まかには図面に書かれていますが、Rなどは写真から推定です。またスケッチ線の定義が確実になされていないと後で困ることになるので確実に定義します。
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全体形状ボディに側面を配置します。
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車体ボディ
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冷房装置も作成します。
今回は試作的に、塗り分け線の上下を別パーツにして塗装のマスキングを省略しました。
窓のサッシ、安全棒も別パーツにしてみました。塗装が相当楽になりますが、一方でほそい部品になるので構成を工夫しました。
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床下機械は写真では見えにくいので想像です。ここを詳細に造形できる人はどんな資料があるのでしょうか。
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台車は住友金属のFS-343です。ネットに組立図面がありましたので参考にします。台車の構造は難しい。

ところで鉄道模型の1/80スケールは日本型車両のHOゲージになります。しかし線路幅は国鉄の狭軌1067mmの場合約13mm、阪神など標準軌1435mmの場合約18mmとなり、HO模型の16.5mmにはなりません。これは海外の1/87スケールでできた16.5mm線路に日本型車両を走らせるために編み出されたのが1/80スケールという話なのですが、これ以上は語れません。

今回はディスプレイモデルなので1435mm/80=17.9375mmで設計をしています。


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中空軸平行カルダン駆動方式なので車軸に平行にモーターが配置されています。
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完成図です。
正面図(梅田側*奇数番なので)
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側面図(山側*阪神の場合北の六甲山側を言う)
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側面図(浜側)

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背面図
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平面図
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底面図

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斜視図
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斜視図
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車内断面図
ロングシートを作ってみました。側板に窓枠部品、窓部品を嵌め込む設計にしてみました。
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断面図
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断面図 運転台も一応作りました。
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運転台 2ハンドルの雰囲気が出ているかな。
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レンダリング
このアプリはレイトレーシングもできます。
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材料、色指定もできます。今回の場合、見た目だけです。
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完成後、3Dプリンタにかけやすいように板状部品にばらしました。
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 これを3Dプリント用データ形式(今回はstep)に変換してDMM.makeにアップロードして発注します。

阪神電車関連の書籍その2です。

今回始めたのは、これからブログ記事にする予定の「阪神5151 1/80模型」を製作するにあたり、3DーCAD図面化するための資料を探していて書庫から引っ張り出したのを機会に、整理したものです。

1980年「鉄道ファン」8月号 No.232
1977年に3801形増備車、新5001形の紹介が載りましたが、少しでした。むしろこの時の5151形電機子チョッパ制御改造記事の方が大きく載り、鉄道ファン得意の形式図面もついていました。

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5151形改造車
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形式図面
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裏面には同時に改造された5311形の図面
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「サイドビュー阪神」
1996年5月31日発行 レイルロード
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5151形の図面に関する資料は以上。さらに所有書籍資料を並べてみます。
2000年以降
2017年「鉄道ピクトリアル」12月臨時増刊号No.940 特集 阪神電気鉄道
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2020年「鉄道ピクトリアル」10月号No.978 特集 さよなら阪神赤胴車
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2022年「鉄道ピクトリアル」11月号No.1005 特集 阪神青胴車の記録
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「とれいん」2016年1月号No.493 特集 阪神電鉄・山陽電鉄
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弘済出版社「鉄道ダイヤ情報」2019年3月号No.419 特集 阪神電車
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他にもいつの間にか阪神関連本が増殖していきました。
「キャンブックス阪神電車」 JTBパブリッシング 岡田久雄著 2013年7月1日初版発行
「阪神電車ぶらり途中下車」 フォト・パブリッシング 山下ルミコ著 2019年8月5日第一刷発行
「阪神電車街と駅の1世紀」 彩流社 上野又勇編 2012年12月31日第一刷
「昭和平成 阪神電気鉄道沿線アルバム」 アルファベータブックス 辻良樹著 2021年7月5日第一刷

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「阪神電鉄・山陽電鉄 昭和の記憶」 彩流社 辻良樹著 2015年1月5日第一刷
「阪神電気鉄道 1950〜1990年代の記録」 アルファベータブックス 生田誠、牧野和人著 2016年12月5日第一刷
「阪神3011 車両アルバム20」 レイルロード編 2015年4月30日発行
「大手私鉄サイドビュー図鑑15 阪神電車」 イカロス出版 2024年8月25日初版第一刷発行


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昔は阪神電車関連書籍は少なかったのですが、ここ20年でたくさん出てきたようです。
以前は阪神電車と言えば小型車という世代から大型車以降を記録してきた世代に変化し、さらに阪急阪神ホールディングスになり、なんば線開通後阪神電車自体が変化したことも影響したのかもしれません。あとはオタク文化が広まったためかマイナー鉄道関連グッズも増えたためでしょうか。
筆者も昭和の人間なのでそろそろ最新の収集はやめるつもりでいますが。。果たして?

(1999年記述したものの再掲です)

筆者所有の阪神電車関連参考資料です。中には古本屋に通ってやっと手 に入れたものもあります。

・「私鉄ガイドブック5 阪急/京阪/阪神」
 誠文堂新光社 慶応義塾大学鉄道研究会著 1967年12月発行1973年2月第三版
 
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東京神田の交通博物館の売店で入手した貴重品。
長らく筆者のバイブル的刊行書でした。各社の形式集で写真と短いコメントが1ページに納まった資料集。
写真は唯一阪神電車のカラー写真ページ。

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筆者がこの本で一番気に入っていた写真。
阪神魚崎駅東方の写真で、まだ軌道をかさ上げする前、1966年頃ではないか。白壁の倉も壁が白く新しい。1995年阪神大震災で倒壊してしまいました。

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筆者の写真 1983年
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筆者の写真 1979年、書籍の写真より魚崎駅寄りで撮ったもの。
白壁の倉も健在。軌道がかさ上げされたのは南北に走る道路に神戸市バスが通るため、ガードの頭上高を上げるためだったと聞いている。付近が下水道工事をし た時期に行われた。同時に魚崎駅も地下改札化された。
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長い間古本屋で探し続けた「鉄道ピクトリアル」1966年1、2,4月号。
先の臨時増刊にも参考資料として出ていた。
小型車が全廃される頃の阪神電気鉄道の記事が出ている。

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「鉄道ピクトリアル」で有名な「私鉄車両めぐり」に初めて阪神電気鉄道が出た。
専用軌道線つまり現在ある阪神電車の創業期から1966年当時までの各形式の記事。
しかし、併用軌道線、国道線、甲子園線、北大阪線の記事を残して、未完に終わっている。
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「鉄道ピクトリアル」では貴重なグラビア写真。見開き二ページだけだが、ここでしか見られない写真が多い。
生まれたてのジェットシルバーの写真が貴重だ。
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「鉄道ピクトリアル」1975年2月No.303臨時増刊号 阪神電気鉄道特集。
当時少なかった趣味誌での阪神情報として貴重だった。3901形の表紙だが駅は山陽電鉄須磨駅。

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保育社「カラーブックス」このシリーズはなかなか良い資料でした。
左、1982年2月発行。右、1989年10月発行。著作は共に阪神電気鉄道車両部の方である。
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「鉄道ピクトリアル」1980年3月号No.373
先の臨時増刊号「私鉄車両めぐり」の補遺として記事が2号に渡り載っていました。
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「ヤマケイ私鉄ハンドブック5 阪神」
山と渓谷社刊。1982年6月発行。解説 吉川文夫、写真 広田尚敬。
広田尚敬の写真が印象的な本です。魚崎駅付近の写真も用いられていて、やはり阪神間でも魚崎の風景はプロの写真家の目に も留まるくらい良いのだなあ、と思ったものです。
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「鉄道ピクトリアル」1985年8月臨時増刊号No.452 特集 阪神電気鉄道
この年阪神タイガースが優勝したので、ピクトリアルの阪神特集は縁起が良いとされた。
この時読者からも写真提供が募集されたので筆者も送ってみました。

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巻頭のカラーグラフ。一番上の「新5001形」の写真は下の写真です。
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保育社 「私鉄の車両21阪神電気鉄道」 1986年10月発行。のちに復刻されました。

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車両発達史シリーズ7 阪神電気鉄道
関西鉄道研究会 藤井信夫著 2002年(平成14年)4月28日発行
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弘済出版社「鉄道ダイヤ情報」1995年3月号No.131。
震災直前の取材記事で構成され、「おことわり」で現状と異なる旨の記載がある。この時点で、阪神電車はまだ部分開通の状態だった。
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「鉄道ピクトリアル」1997年7月臨時増刊号No.640 特集 阪神電気鉄道
阪神タイガースが優勝したのはこれからさらに6年後の2003年。
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