神戸市立御影公会堂は、神戸市東灘区御影石町にある、「阪神間モダニズム」の一つとされる昭和初期の建築です。

1933年(昭和8年)に御影町公会堂として完成しました。設計は清水栄二で同時期に近所の魚崎小学校、魚崎町役場も手掛けており、施工は甲子園球場も施工した大林組です。

筆者は魚崎小学校などは行ったことがありますが、なぜか(用もなかったので)御影公会堂は行ったことがなかったので行ってみることにしました。




阪神電車石屋川駅

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石屋川を上流に少し歩くと国道2号線があります。そこに御影公会堂が建っています。

太平洋戦争の空襲、阪神大震災に耐え、国の登録有形文化財に2018年登録されました。

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国道2号線にはかつて阪神電気鉄道国道線が野田から西灘、東神戸まで走っており、公会堂の前にも「上石屋」停留所があったそうです。国道上に見える中央分離帯のゼブラはその名残りなのでしょうか。

ちなみにこの国道線の停留所は一般の路面電車のホームは無く、ただ道路上に停まって路面に直接乗降するものでした。なんでも元々あったホームを太平洋戦争時日本軍が撤去して緊急の滑走路に使えるようにしたとか。電車にステップがついていたものの危険極まりない乗降でして、幼少時に乗った時に怖くて降りられなかったことを覚えています。

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石屋川橋も歴史があります。国道2号線は「阪神国道」として1926年(昭和元年)12月25日 に 開通しました。

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御影公会堂は2017年にリニューアルしており、バリアフリーに配慮しています。

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正面玄関内部。天井の梁にもアーチ状にデザインが施されています。

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地下に降りると御影郷土資料室と嘉納治五郎記念コーナーがあります。

ちなみに嘉納治五郎は講道館創設者の柔道家のことですが、元々御影に「灘の生一本」で知られる、灘五郷の菊正宗と白鶴の酒造で財を成していた「嘉納財閥」が寄付して御影公会堂が出来た事もあり、その一族に嘉納治五郎がいたため。なお嘉納治五郎は「灘中等学校」の創立に関わっています。

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地下には食堂があります。

この食堂は洋食レストランで、御影公会堂開館当初からあるそうで、その伝統が受け継がれています。

内部は明かりの入る窓がある高級レストランです。

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天井の意匠も残されています。
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平日の昼に御影公会堂の食堂でランチを食べ、阪神が勝った新聞を読む、というセレブのマネをしてきました。(笑)
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